泌尿器科を受信される女性で多いのが、
「腹圧性尿失禁」「骨盤臓器脱」など
加齢や出産に伴う骨盤底筋の脆弱化に伴い
引き起こされる疾患です。
今日はまず「腹圧性尿失禁」についてお伝えします。
腹圧性尿失禁の疾患は、加齢に伴って増加するほか、
出産数に比例して増加するという報告もあります。
初産婦でも出産後半年以内では、
4人に1人が尿失禁を認めており、
米国では40歳以上の女性の3人に2人が、
尿失禁の悩みを抱えています。
腹圧性尿失禁の主な症状は、
咳・くしゃみなど強い腹圧がかかったときの尿漏れから、
椅子から立ち上がる、笑う、歩くなど日常の動作でも
失禁が起こってしまう重症例まで様々あります。
いずれも尿パッドが欠かせない、思い切った行動ができない、
運動ができないなどの二次的な苦痛が発生します。
腹圧性尿失禁は主に、尿道を締める働きをする尿道括約筋と
骨盤の底を支える骨盤底筋の脆弱化が原因とされています。
また肥満や便秘なども要因とされており、
これらの改善とともに
骨盤底を鍛える運動(骨盤底体操)を行うことが推奨されています。
泌尿器科外来では、軽度から中等度の腹圧性尿失禁の患者さんに
血圧や心拍数などを測定しながらの骨盤底体操を指導し、
症状スコアの改善に努めています。
薬物治療では、尿道括約筋の緊張を高め、
尿道抵抗を上昇させる薬剤を使用しますが、
重症例には効果はなく手術が必要になる場合もあります。
手術治療では、人工線維で作られたテープを尿道周囲に通し、
尿道に少し角度をつけることにより
尿道抵抗を上昇させる「尿道スリング手術」です。
1時間ほどの施術で術後合併症もほとんどなく、
術後は快適な生活を送ることができます。
佐藤是医院(さとうよしいいん)
佐々木ひと美
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